私は、お父さんっ子である。
どのくらい、お父さんっ子かというと…。
21の夏。就職後、初めてのお盆休み、に。
当時、単身赴任中だった父の家に遊びに行く程度にはお父さんっ子である。
会話は多い方ではない。むしろ、何を話せばいいのかもわからない。
それでいうと、母との方が朝から晩まで話しても尽きないくらいには仲良し母子。
ただ、父とは。とんでもなく根っこの部分で、共鳴している「何か」、があるような気がする。
そんな、お父さん。
たぶん、行きつけの。たぶん、頑張ったいいお店。
カウンター席に並んで座る。
大将からのおしぼりを受け取りながら、
「娘なんですよ」
「娘さんですか、それは嬉しいですね」
「いえいえ、気まぐれで、めんどくさいだけですよ」
素直に喜びを表現できない年代である。
きっと。フラッと、ここで。
世間話と粋な食事。重い荷物を少しだけ軽くして家に帰るんだろうな。
あの狭い、ワンルームに。
私の知らない父の横顔。
父の日、だから。 こんな小さな一日を思い出す。
父と娘。父と息子。父と子。なんか、絶妙。
父の日の特集、始まってます。
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