風に揺れるカーテン。
加湿器から上がる蒸気。
壁に映る太陽の光。
一番古い、幸せの記憶。
3才か、4才だったか…。
共働きの母は、家に居ないことが多く、
その日はめずらしく、二人だけの昼下がり。
ぽかぽかの陽だまりの中。
絨毯の上をころころ転がる私を見て、母が笑ってくれたから。
なんだかとても嬉しくなって、意味もなくただ繰り返した。
気付いたら…お腹にバスタオルがかけられていて、母は隣でピーナツを食べてた。
「寝ちゃってたんだ」、と、とてももったいないことをしたような気がして。
同時に、その時間がまだ繋がっていたことに安堵して、あたたかい何かが体の中に広がった。
そんな、記憶。 嘘みたいな、本当の。一番古い、大切な記憶。